マレーシア当局発表の指数とシンガポール発表のものが
あまりにも違いすぎる!
シンガポール北部はPSI指数133、対岸のジョホールのラーキンは97(AM11:00)。
今日は比較的数値が落ち着いているので、差は小さいですが、
もっと値が大きくなると、その差も開きます。
いろいろ調べると、ヘイズの主な原因となっているPM2.5をマレーシアは
指数の測定項目の中に入れていないのです!
もともと、大気汚染物質としてPM2.5はあまり重要視されておらず、
問題視されるようになったのは1990年代後半から。(wikipediaより)
アメリカは1999年から、シンガポールも昨年から測定を開始し、
それぞれの大気汚染指数に組み込みました。
で、マレーシアはまだ組み込んでいません。
この大気汚染指数、正式には空気質指数と言うようで、
世界各国、オリジナルの算出法に基づいて重篤度を発表しています。
アメリカはAQI、マレーシアはAPI、シンガポールはPSI。
これらの指数を横並びで比較してよいのか、検討しました。
そもそも、測定の単位が違っています。
一部、マレーシア・シンガポールではμg/m3を使っているのに対して、
アメリカはppm・ppbです。
シンガポールはAQIで計算できるよう、数値を公表しているとのことで、
こちらなどはおそらくその値に基づき、計算されていると思います。
今回はマレーシア・シンガポールの指標で使われている単位に
アメリカの単位を合わせました。
ppmをμg/m3に換算するためには温度が必要ですが、アメリカの標準温度は
25℃らしいので、それで計算しています。
色はそれぞれの国が地図や表で用いている色を適用しました。
カテゴリーごとに上からAQI(US)、PSI(SIN)、API(MY)を指標値と各測定値を横に並べています。
アメリカはunhealthyを普通のunhealthyとfor sensitive groupを分けています。
指標の値と各物質の測定値は低濃度のSO2、NO2を除き、おおむね同等のようです。
各測定値から対応する指標値を計算し、
各値のうち、一番大きいものを全体の指標値として
出しています。
たとえば、シンガポールのPNIですが、
今日の1時のnorthの値が
SO2 5 → INDEX 3
PM10 113 → INDEX 82
NO2 56 → INDEX -
O3 26 → INDEX 11
CO 1.5 → INDEX 15
PM2.5 81 → INDEX 128
なので、この時間のPSIは値の一番大きい128となります。
マレーシアはヘイズで一番値が大きくなるであろう、
PM2.5を測定対象としていないので、
上記シンガポールと同じ測定値であった場合、
(INDEXの微妙な計算の違いはありますが、最大値はPM10なので)
APIは82ということになります。
各国の指標の見方・評価については
こちらのブログで石坂さんが非常に詳細に検討を加えられております。
マレーシアの指標値からPM2.5の値を推定する方法についても
述べられています。
各国共通の問題点としてはこの指数値はNO2を除いては
8~24時間の平均値のため、急にPM2.5が増加した場合などは
その急激な変化を示すのには向いていません。
目視でかすみ具合を確認しつつ、
シンガポールで発表されているPM2.5の1時間値などを
参照すると、より効果的に暴露を防げると思います。
2 件のコメント:
りこよんさん、
遅くなりましたが、お話ししていたシンガポールとマレーシアの比較がやっとまとまりました。もうご覧になっているかもしれませんがURLに記したとおりです。
あまり新しいことはなく、あらためてグラフで確認したということですが。
早速拝見いたしました。やはり、グラフ化するとわかりやすいですね!
PSIとAQIのPM2.5の比較的低いところに大きな差異があるのは、Unhealthy for sensitive groupsの存在のためでしょうか?
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