Teenage boy dies of leptospirosis in Johor : The Sun Daily
原因はレプトスピラという菌で、ねずみなどの野生動物の尿により媒介され、ほとんどの哺乳類に感染します。
ネズミ等の腎臓で増殖した菌は尿に混ざり、その尿に汚染された土壌や水、食品などから皮膚や口を経由して感染します。
菌に感染すると、数日~2週間ほどで発熱、頭痛、悪寒、目の充血、筋肉痛、腰痛などの急性症状が出現し、重症型となるとその後、出血、腎・肝機能障害などを引き起こします。
重症型の死亡率は5%~と言われています。
昔、衛生環境の悪かった日本でも1970年代くらいまでは多くの患者、死亡者がでていたとのことですが、今では症例数は非常に限られていますが、ゼロではありません。
(症例数の多い沖縄以外の地域では、軽症だと医師の見逃しの可能性もあります。)
国内感染事例は水辺のレジャー、農作業、河川での労働などが原因となっています。
IASR 37(6), 2016 【特集】レプトスピラ症:国立感染症研究所
この菌は湿ったところで長く生き続けるので、感染源となりうる動物がいる川辺、湖、沼地や水路があるところや水害などで汚染された土砂が生活環境に流入した際などに感染が起こりやすくなります。
マレーシアでも毎年感染者・死亡者が発生しており、国が専用のポータルサイトを作り、情報収集や啓もう活動を行っているほど(HPはそれほど充実していませんが。。)。
MyLepto - Malaysia Leptospirosis Research Network
従来は自然環境の豊かなクランタン州、ペラ州、サバ州、サラワク州での感染事例が多かったのですが、近年はセランゴール州での事例が増えています。
日本でも沖縄に次いで発生事例が多いのが東京で、もともと人口も多く、その原因は海外での感染と、ネズミとの接触のようなので、セランゴールも同じようなことが考えられます。
PowerPoint Presentation:Persidangan Kesihatan Persekitaran Pihak Berkuasa Tempatan 2015 8 – 9 September 2015, WP Labuan.
Retrospective Study of Leptospirosis in Malaysia | SpringerLink
昨年、ジョホール州で、水道水を取水している水源が汚染され、アンモニアが規定以上検出されたため、その対応のために水道の供給が一時的にストップする事例もありました。
開発に伴って、従来きれいと思われていた川や湖なども汚染が出てきているのかなあとも思います。
Declare all-out war on rats:The Star -PressReader.com
汚染された水やどろ、動物との接触によってのみ感染するので、感染の機会は限定的です。2012 3665(48)
2013 4457(71)
2014 7806(92)
2015 8291(78)
2016 5284(52)
その9割が軽症とも言われているので、重症型となった場合のマレーシアでの死亡率は10%程と考えられます。
治療に関しては一般的な抗生物質で対応可能なので、重度の出血症状、腎不全や肝不全などの全身管理が必要な状態になる前に治療開始出来れば、大きな問題とはなりにくいと思われます。
予防としてワクチンも存在していますが、菌の種類が250以上あるのに対して、ワクチンで対応できているのが5種類のみと、あまり現実的ではありません。
菌自体は弱い消毒薬や加熱ですぐに死滅するため、知識を持って対応することで、感染自体や重篤化を防ぐことは可能と思われます。
自然の水辺で遊ぶ場合は、
- 皮膚に傷がある場合は水に極力入らない
- 目や口など粘膜部は皮膚と比べて感染に弱いので
・しぶきが入らないようにゴーグルをする、
・遊んだあとすぐに清潔な水で目や口をすすぐ - 石けんと温水で身体を早めに洗う
- 水遊び後に発熱があった場合は軽視せずに病院を受診し、水辺で遊んだ旨を医師に伝えて検査をしてもらう
マレーシアでの治療に関しては以前にもお伝えした通り、軽症の治療は問題なく行えますが、問題なのは命の危機的な状況になったときの対応です。
病気を知り、予防や軽症のうちに治療を行うことがとても大切です。
この病気はワンちゃんも感染する病気なので、お散歩で泥水に接触した場合や、川遊びをした後はしっかりケアしてあげてください。
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2 件のコメント:
あらあらあら、そんな感染症があるんですか。感染者数、死亡者数も結構多いですね。
マレーシアって海外なんだ・・・ってのを思い知らされました。
いつも有益な情報を有難うございます。
私も犬の感染症として聞いたことがあるくらいで、気にも留めてませんでしたが、日本でも割と患者さんがいるのに驚きました。
マレーシアでも以前は田舎の病気だったんでしょうけど、最近は都会の(?)セランゴールの患者さんが増えているようなので、都市生活でも注意が必要ですね。
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