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2017年5月7日

デング熱ワクチン接種(条件付き)がマレーシア・シンガポールでも行われています

今年は今のところ、マレーシア・シンガポールともデング熱の流行は昨年に比べて低めで推移しています。
dengue_biweekly_20170425.pdf

やっとデング熱ワクチンの開発が進み、マレーシアやシンガポールを含む流行国での市販も開始されました。

Dengue vaccine approved, conditionally - Nation | The Star Online


デング熱ワクチン開発が難しいなあと思うのは、
  1. 4種類のウィルス型すべてに有効であるものを作らなければならない
  2. 一度ある型のウィルスに感染した後、別の型に感染すると症状が強く出る可能性があるため、ワクチンでも同じことが起こらないようにしなければならない
  3. 治療薬と違って健康な人が「感染しない」ことを評価するのは時間がかかる
  4. 抗体がどのくらいの期間残存するか長期のフォローが必要
  5. 小児への安全性の確保
など、難関がいっぱいです。
特に1)、2)はデング熱特有の難しさと言えます。

サノフィの製品が一歩先を行っていて、第4相試験(市販後調査:有効性・安全性が担保された上で市販し、使用した患者さんのデーターを収集する)を実施中です。
対象国は東南アジア・中南米10か国。
現在、接種対象となっているのは9歳~45歳。
6か月間隔で3回接種で6年(4年?)間有効であるところまでフォローされています。
現在のデータでは9歳~45歳の発症予防率65.66%、重症化予防率93%とされています(WHO Weekly Epidemiological Record_wer9130.pdf)。
上記WHOのレポートによると、全治験参加者での型別発症予防率は1型50.2%、2型39.6%とマレーシアやシンガポールで一般的な1型・2型への有効率が低めなのが気になります。

シンガポール保健省はメーカー・WHOよりもシビアに評価していて、シンガポールでは若年層のデング熱感染率が低いため接種対象は12歳~とし、シンガポールで一般的な1型・2型への有効性は低めのため、積極的な接種推奨(金銭的補助)はしていません。
Dengvaxia® Vaccine Available in Singapore | Ministry of Health

~参照~
Clinical effi cacy and safety of a novel tetravalent dengue vaccine in healthy children in Asia: a phase 3, randomised, observer-masked, placebo-controlled trial

Dengue vaccine approved, conditionally - Nation | The Star Online
※上記ニュースで取り上げられている論文
Efficacy and Long-Term Safety of a Dengue Vaccine in Regions of Endemic Disease

デング熱ワクチンは日本では武田薬品が治験を第3相(多数の患者に対する安全性と有効性の確認の段階。これで安全性・有効性が確認されると市販が可能となる)迄進めています。
デング熱ワクチンの臨床第3相試験において20,000名以上の小児・若年被験者の組み入れを完了 | ニュースリリース | ニュースルーム | 武田薬品工業株式会社

過去のニュースリリースを読むと、武田のワクチンは2型のウィルスを基に作られており、サノフィのワクチンで最も有効性の低い2型への効果を期待したいところですが、3型・4型への効果の方が高いよう。


しかし、デング熱がワクチンで予防できたとしても、同じ蚊が媒介するチクングニア熱やジカ熱の予防のためには結局防蚊が必要なのには変わりありません。

人間の蚊との戦いはまだまだ続くのです。。。。


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