ジカ熱はデング熱を媒介するのと同種の蚊によって媒介されます。
症状もデング熱と類似しており(ジカ熱の方が軽症)、38.5℃以下の発熱、頭痛、筋肉痛、関節痛、発疹、倦怠感、時によって血小板減少といったものが知られています。
ジカ熱で問題となるのはジカ熱による上記症状ではなく、ジカウィルス感染により惹起されるのではないかと言われている妊娠中の感染による小頭症児の出産、全世代におけるギランバレー症候群の発症です。妊娠可能期の女性のみの問題ではありません!
(これらジカ熱の問題点については別項でまとめたいと思います)
現在、マレーシアでは発症例を確認していませんが、マレーシアのデング熱の発症状況を見る限り、近隣東南アジア諸国の中でもかなり高いデング熱発症率を記録しており、一旦ウィルスが国内に流入してしまうと、その後どうなるかは容易に想像がつきます。
Channel Newsasiaより
デング熱と同様、対策は蚊に刺されないこと。今回は海外(マレーシア)での虫よけ剤の選び方について考えてみようと思います。
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ディート剤について
日本では「虫よけ」と言えば長い間、ディート(Deet)含有剤がほとんどでした。
殺虫剤ではなく忌避剤(虫が嫌って寄り付かない)です。
蚊の忌避効果については評価されており、古くから使われていますが、 その作用機序は解明されていません。
海外を中心に皮膚障害や大量または長期に使用した場合に神経症状が出たりといった中毒症状が知られています。
→厚生労働省:「虫よけ剤」ディートの毒性と安全対策(PDF)
もともと、欧米ではかなり高濃度のディート剤が販売されており、日本に先立って小児の使用について規制が行われました。
日本においてはそもそも低濃度(~12%)であったので、あまり表立ってその中毒が取りざたされていません。
しかし、わずかですがディートは経皮吸収されるため、高濃度・高頻度・長期間に使用すると中毒症状を発症する可能性が高まるため、できれば使わないに越したことはありません。
小児へのディートの使用について
世界的にディートの小児への影響が叫ばれ、10年ほど前より、日本でも小児への使用が制限されています。
- 6カ月未満:使用しないこと
- 6カ月以上2才未満:1日1回
- 2才以上12才未満:1日1~3回
- 顔には使用しない
虫よけの効果持続時間(数時間)を考えると、1日1回とか、そもそも現実的に使えないですね。
天然系の小児もOKとされている虫よけが各社販売されています。
妊婦さんにのディートの使用ついて
催奇形性はないというのが一般的見解ですが、万一、何かしらの中毒症状が出現した場合、出来る治療が限られてしまうため、あえてディートを選ぶ必要はないと思います。
ディート以外の天然系の虫よけをお勧めします。
現在メジャーになりつつある天然系
ディートの中毒が知られるようになり、最近は国内外ともに天然由来成分の虫よけが増えてきました。
マレーシアでもジョホールの近所のドラッグストアを覗くと、天然系がメインでディート製剤は「OFF」のエアゾルタイプ(ディート濃度15%)1種類のみ。
天然系はシトロネラ(レモンのような香りの草)、ユーカリ、メントール、カンファー(樟脳)、ティーツリーなど、メーカーによって配合が異なりますが、これら精油を組み合わせて配合したスプレー、ロールタイプ、クリームなどが販売されていました。
※ユーカリはアレルギーがある場合もあるので、使用前に狭い範囲で試し塗りを。
うちは台湾で買って来た天然系の虫よけの在庫がたくさんあるのですが、試しに一つ買ってみました。
香りはレモン系でつけていても嫌な感じはしません。
ただ、スティックタイプは塗り広げるのが大変(汗)。
有効成分はシトロネラオイル、レモングラスオイル、ゼラニウムオイルです。
どんなタイプが良いのか?
さらっとして塗りごこちが良いのは液状のスプレーやロールタイプですが、天然系の場合、精油を水になじませるためにアルコールを使っていることが多いので、アルコールに弱い方は使用前に試し塗りを。
クリームタイプは液状より長持ちしますが、ベトつきが気になるためか近所(マレーシア)のドラッグストアではあまり見かけませんでした。
上述のスティックタイプはまんべんなく塗るのが難しいです。。
エアゾルは皮膚への定着率が悪いのと噴霧時に吸い込んでしまう可能性も高いため(一般に皮膚に塗るよりも吸入の方が中毒リスクが高い)、あまりお勧めしません。
パッチタイプや腕輪タイプは・・・・本当に効果あるのか?
使用時の注意
- 効果は製品によりますが数時間しか持たないので、こまめに塗り直しが必要です。
- 特に暑い地域・時期は汗により流れてしまうので特に。
- スプレータイプは単にスプレーしただけだと、皮膚に付いたところと付かないところがまだらになっているので、スプレーした後皮膚全体に伸ばした方が効果にムラがなくなります。
- 日焼け止めと併用する場合は日焼け止めが先、虫よけは成分が揮発して効果を発揮するので、一番最後に塗ります。
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