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2020年2月6日

消毒用アルコールについて国交省に問い合わせしてみました

コロナウィルスやインフルエンザが世界中で猛威を振るっています。
このブログへのアクセスも消毒用エタノールや手指消毒用のアルコール製剤(アルコール消毒液)の飛行機持ち込みを検索して訪れる方も多いようなので、詳細を調べてみました。



航空会社の規定では飲み物としてのアルコールは70%まで、という規約があり、一方、消毒用のアルコール類はその濃度が70%(厳密にいうとvol%)を超えているので、持ち込んでよいのかどうか。。。と悩むところ。

調べていくと、海外の規定ではrubbing alcoholはOKとのこと。
(世界の航空ルールはアメリカ中心なので世界共通だと思われます)
PackSafe for Passengers:Federal Aviation Administration_U.S. Department of Transportation

しかし、あまり具体的には書かれていないので、国土交通省航空局安全部に問い合わせてみました。
その結果、
・飲み物としてのアルコールと消毒や化粧品のアルコールは別に考える
消毒用・化粧品として飛行機に持っていける(ハンドキャリー・預け)のは体に直接使用できるもので、具体的な濃度の規定はない
とのこと。
つまり消毒用エタノールは持ち込みOKなのです!!

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市販されている日本薬局方のアルコール製品はその濃度や純度によって主に4種類に分かれます。

  1. 無水エタノール
    エタノール濃度が99.5vol%以上の純度の高いエタノール
    →希釈して消毒用として利用する、他の外用医薬品の製剤原料として利用する
  2. エタノール
    エタノール濃度が95.1~96.9vol%の高濃度のエタノール
    →希釈して消毒用として利用する
  3. 消毒用エタノール
    エタノール濃度が76.9~81.4vol%
    →そのまま皮膚の消毒用に利用する
  4. 添加物ありの消毒用エタノール(消毒用エタノールIP、エコ消エタなど)
    酒税法回避のため、消毒用エタノールに飲用できないような添加物を加えたもので、メーカーによってイソプロパノールというアルコール類やユーカリ油などの香料を加えたもの
    →消毒用エタノールと同等の消毒効果、良心的価格
(ちなみに、エタノールはアルコール度数が高ければ消毒効果が高いというわけではなく、ある程度の水分があった方が良く、70w/w%(76.9~81.4vol%)が最も消毒効果が高い濃度とされています)

つまり、飛行機に乗せられるのは、③と④の消毒用と書かれているものだけになります。
また、擦り込み式手指消毒剤(手ピカジェルなど)も消毒用エタノールとほぼ同等のアルコール度数なので持ち込みOKです。

なお、手荷物として機内(キャビン内)に持ち込めるのは100mLの容器までになりますので、ご注意ください。
飲用との混乱を避けるため、詰め替え容器ではなく、元の容器で液漏れしない状態でお持ちください。

追記:大幸薬品より発売されているクレベリンは同じブランドでも中身が違い、飛行機への持ち込みは注意が必要です。
・置き型、スプレー:二酸化塩素 →機内持ち込みも預けも不可
・ペン型、フック型:亜塩素酸ナトリウム →機内持ち込み不可
・クレベ&アンド(ベンザルコニウム+エタノールの手指消毒用) →消毒用エタノール同様持ち込み可能
2020年のお知らせ|プレスルーム|大幸薬品株式会社

※w/w%:重さの割合で混合した%、vol%:体積の割合で混合した%

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12 件のコメント:
Unknown さんのコメント...

とても有用な情報を公開頂いて有難うございます。

ricoyon さんのコメント...

暖かいコメントありがとうございます。今後もお役に立てる情報提供を心掛けてまいりたいと思いますので、引き続きご愛読のほど、お願いいたします。

匿名 さんのコメント...

すごく助かりました。情報提供ありがとうございます。

匿名 さんのコメント...

今、ANAに電話で確認したところ、持ち込みも預けもできないと言われました。

Unknown さんのコメント...

娘がハワイへ行くので、エコ消エタを持たせたいと思い 機内持ち込みはいいのか不安だった為 検索したところこちらにたどり着きました。100ミリまでは大丈夫なんですね。ありがとうございました

ricoyon さんのコメント...

匿名さん、ANAの対応はそうなのですね。国交省では確かに皮膚に直接つける消毒なら大丈夫、といわれたのですが。。。ANAのHPにも「化粧品類(ヘアスプレー、制汗スプレーなど)や医薬品類(殺菌・消毒スプレー、冷却スプレー)、スポーツ用品・日用品(引火性ガス・毒性ガス以外のもの)について、1容器0.5kgまたは0.5リットル以下のものは1人あたり2kgまたは2リットルまで機内持ち込み・お預けともに可能です。」とあります。

Unknownさん、機内持ち込みは100mLまでOKですが、表示のない詰め替え容器でしたら、中身を説明できるようにしていた方が良いかもしれません。

ricoyon さんのコメント...

ANAさんにも電話で問い合わせをいたしましたところ、手指消毒のアルコール製剤は持ち込み可能とのことでした。(クレベリンは不可)
匿名さん、安心してお持ちください。

匿名 さんのコメント...

便利な情報ありがとうございます.

もうすぐ海外行きますが,何とかクレベリン系を持ち込みor預け入れができないかと格闘してます.結果,「クレベリン」と名前の付いたものは,全部,「持ち込みも預け入れもできない」というのが,最近のJAL,国交省,大幸,興和,保安検査所(の委託業者)の回答です..

JALのページには「クレベリン」が名指しになっていますが,興和の類似製品も無理のようです.ちょっと色々(違法なことは抜きにして)やってみようと思っています..旅行後に報告しますね.

ricoyon さんのコメント...

クレベリンについてはその成分の「二酸化塩素」、「亜塩素酸ナトリウム」が航空機搭載不可の危険物です。

航空会社や製造メーカーのおっしゃる通り、持ち込みはおやめください。

また、二酸化塩素は日本において消毒薬として認められている物質ではありません。
その効果についてはメーカー独自のテストであり、公的に評価されておりません。

市販の二酸化塩素製剤の殺菌効果と人体への安全性は? |Web医事新報|日本医事新報社 https://www.jmedj.co.jp/journal/paper/detail.php?id=12279

旅行後のご報告はご遠慮くださいますようお願いいたします。

hoja さんのコメント...

大変貴重な情報をありがとうございます。
現在タイにいて、お土産で10mlのオーガニックハンドクレンジングジェル(消毒液)を50個くらい持って帰りたいと思い、色々調べましたが、よく分からず困っていました。
タイ航空(国内線)とピーチ航空(国際線)を使う予定なのですが、何か必要な書類とかありますか?
受託手荷物でお願いする予定ですが、数が多いので、チェックインの時に申請など必要ですか?

ricoyon さんのコメント...

hojaさん、タイのそのハンドジェルがどのようなものか分からないので、何とも言えませんが、体に直接つけられる消毒薬や化粧品は航空便の規定では1包装500mL以内、トータル2Lです(この辺は原則世界共通のはずです)。

なので、規定上は大丈夫だと思いますが、日本に到着した際に、同じものを大量に持っていると、商品と判断されることがあります。

個人的には日本に来た外国人観光客が大量にマスクを買っていく姿を見た時の日本人の感想を現地のタイの人たちも感じる、ということをよくお考えいただき、現地の貴重な衛生材料を奪うことの無いよう、思慮深い行動をとっていただくよう、お願いいたします。

Unknown さんのコメント...

ありがとうございます。タイも日本同様コロナ問題あるので、ルールだけではなく、色んな方面での考慮が必要ですね。気をつけます。お心使いありがとうございました。

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