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2020年2月27日

水際作戦は効果があったのか?

日本は中国からの渡航者を中国全体ではなく、他の国に遅れて地域を限定して実施しました。

生ぬるい!と批判がたくさん上がりましたが、はたしてどうだったのでしょう?



中国では1/23より武漢を封鎖したのをかわきりに、都市間の移動や外出を制限しており、今も一部緩和しながらも続けています。

アジアと主要国の渡航制限



  • 1/23中国:武漢の都市封鎖(国際線直行便も停止)
  • 1/26中国:海外団体旅行販売停止
  • 1/27香港:14日以内湖北省滞在歴のある外国人の入境禁止
  • 1/27マレーシア:湖北省住人の新規ビザ発給停止
  • 1/28フィリピン:中国人のアライバルビザ限定停止
  • 1/28香港:中国旅行者ビザ停止
  • 1/29シンガポール:国籍問わず14日以内湖北省渡航者入国禁止
  • 1/30香港:中国との出入境ポイント14か所中6閉鎖
  • 1/30WHO:緊急事態宣言
  • 1/31ベトナム:14日以内中国渡航外国人観光ビザ発給停止
  • 2/1ベトナム:中国との直行便全便停止
  • 2/1オーストラリア:14日以内に中国から(経由含む)の外国人入国禁止(永住者と国民の親族は除く)
  • 2/2シンガポール:国籍問わず14日以内中国渡航者入国禁止(長期滞在者除く)
  • 2/2アメリカ:14日以内の中国渡航外国人入国禁止(永住者、国民の親族は除く)
  • 2/2フィリピン:中国全土からの外国人入国禁止(長期滞在者を除く)
  • 2/2イタリア:中国との直行便全便停止
  • 2/3ニュージーランド:中国出発(経由含む)14日間以内外国籍(一部除く)の入国禁止
  • 2/4香港:中国との出入境ポイント14か所中10閉鎖
  • 2/4韓国:14日以内湖北省訪問歴のある外国人の入国禁止
  • 2/5インドネシア:中国との直行便全便停止、国籍問わず14日以内中国渡航者入国・トランジット禁止
  • 2/5ベトナム:中国国民および中国在住外国人に対して、就労、経営、留学、親族訪問を目的とする訪問を禁止 (外交、ビジネス目的を除く)
  • 2/6台湾:中国居住者の入境禁止
  • 2/7シンガポール:14日以内湖北省渡航歴就労者、湖北省旅券所持者の入国禁止
  • 2/7台湾:14日以内中国マカオ香港入境歴した人は入境禁止(居留証保持者除く)
  • 2/9マレーシア:14日以内湖北省、浙江省、江蘇省への渡航者入国禁止
  • 2/14日本:14日以内に湖北省、浙江省に滞在歴のある外国人
(現在の制限内容はこちらが良くまとまっています 渡航制限、航空業務およびスクリーニング:インターナショナルSOS)

WHOの統計データ


WHOは1月下旬から毎日各国から上がってきたコロナウイルス感染者数を表にまとめて発表しています。
1/22にベトナムで報告されたのが中国国内由来以外の初めての事例で、その後じわじわと国内感染者(グラフ緑色)が増えています。

一見、日本の渡航制限は甘かったように見えますが、2/25時点、もはや中国由来の感染者(グラフオレンジ色)は世界中から上がっておらず、各国の中国からの渡航制限が効いているというよりは中国側の旅行者の制限のほうが有効だったことを物語っています。

20200225-sitrep-36-covid-19.pdf:WHO

(WHOのレポートは各国から上がってきたものをまとめただけなので、各国の検査基準がまちまちなため、完ぺきとは言えませんが、全体の傾向は掴めます)

なお、ヨーロッパで中国からの入国制限を強めに出している(中国直行便全便休止)のはイタリアだけで、そのイタリアが一番混迷を来しているのが現状です。

すなわち、ウイルスは各国が入国制限を行う前にすでに忍び込んでいて、中国の出国規制によって、中国由来の感染者は減りましたが、既に忍び込んでいたウイルスから2次、3次感染した人たちが今、各国で顔を出し始めているということです。

空港は構造やシステム上、そもそも、飛行機単位で感染者を把握する仕組みにはなっていない上、到着した飛行機は1~2時間後には出発するようなオペレーションになっているので、検疫職員をすべての飛行機に手厚く配備して時間をかけて検疫することは事実上困難です。

また、いずれの国も、一見、厳格な対策を打っているようですが、実際は中国から帰ってきた自国民と長期滞在ビザ保有者などは帰国が許されていたり、自国の航空会社はコントロールしていても中国の航空会社の就航まで止めている国は少なく、水際対策としては不完全です。

感染者が多発している地域からは潜伏期、無症状者が一定数含まれているため、渡航先で発症する可能性は他の地域よりは高いのは確かで、渡航制限することで、自国の医療リソースを他国から来たの人に奪われないようにするという意味では十分価値があると言えます。


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