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2019年12月9日

マレーシアで27年ぶりのポリオ発生

マレーシアで27年ぶりにポリオの症例が見つかったとのニュースがありました。

Polio case reported in Malaysia – first in 27 years | The Star Online

サバ州トゥアランの3か月の男児にワクチン由来のVDPV1という型のポリオ感染が確認されたというニュース。



ポリオとは


ポリオ(急性灰白随炎、小児麻痺)はポリオウィルスによる感染症で、ウィルスが中枢神経に影響を及ぼし、急性弛緩性麻痺を引き起こします。

糞便中のポリオウィルスが口から入り、血液を経て中枢神経へと移行して麻痺症状が現れます。
ポリオウィルス感染者のうち、90~95%は無症状で、4~8%は風邪のような症状、0.5~1%が麻痺を伴わない無菌性髄膜炎、0.1%が麻痺症状を呈するといわれています。

現在ポリオのワクチンは経口の生ワクチン(OPV)と注射の不活化ワクチン(IPV)があり、国や地域によって実施されている種類が異なります。
(日本、マレーシアは不活化ワクチンを採用)

VDPV(vaccine-derived poliovirus)とは


生ワクチンは不活化ワクチンよりも早く確実な免疫を得られることから、途上国を中心としたポリオ流行国で使用されており、一旦は収束したように見えましたが、2000年代より各国で経口生ワクチンが突然変異を繰り返したポリオが流行するようになってきています。
生ワクチン接種後は便中から微量のワクチンが排出されるため、非衛生的な環境においては環境中にウィルスが留まり、ワクチン用に弱毒化されていたものが増殖過程で変異を繰り返しながら毒性を高め、ワクチン非接種者や免疫不全者がポリオに感染してしまうことになります。

今回のマレーシアでのポリオ症例に関連して


政府がこの患者の近隣を調査したところ、199人の15歳以下の子供のうち、23人がワクチン未接種であったとのこと。
マレーシアでは過去にポリオ経口生ワクチンの製造過程で豚由来の物質が使われていたことからワクチン接種全体を拒絶しているムスリムが多くなってきています。

過去記事:麻疹ワクチン打ってますか?マレーシアで麻疹(はしか)の流行の兆しあり

今回、サバ州で見つかったポリオはフィリピンなどで流行していたVDPV1という型。
アジアではフィリピン以外にもポリオが流行している地域がいくつかあるため、外国人労働者も多いマレーシアでは引き続き注意が必要です。

日本人のポリオワクチン接種に関して


日本では長らく経口生ワクチンを生後3か月~90か月(7歳5か月)の間に2回接種をすることとなっていましたが、ワクチンによる麻痺の症例が発生したことから、2012年より注射による不活化ワクチン接種に切り替わりました。
不活化ワクチンは合計4回の接種(生後3か月~12か月の間に3回+12か月~18か月に1回)が必要です。

しかし、昭和50年~52年生まれの方たちが受けたワクチンは効力が弱く、免疫が不十分な場合もあるため、感染の可能性が心配な国で長期滞在する場合はワクチン接種を追加でされたほうがよいと思います。

ポリオ抗体保有状況の年度比較2018:国立感染症研究所

マレーシアでは1例が報告されただけなので、現状では慌てて接種をする状況ではありませんが、ポリオウィルス感染者の多くは無症状の保菌状態のため、未接種者、抗体価不足の可能性がある方は速やかに接種をご検討ください。

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